なんざますか、失礼ざます

時々、思い出すことがあるざます。

20代前半の頃、

宝飾展みたいなものに行ったときのことざます。

宝石とか腕時計とかをホテルで展示販売するやつざます。

よく覚えてないざますけど、

当時よく行っていた洋服屋さんの店長から入場券をもらったざます。

もしかしたら、

そのアパレルブランドが企画したイベントだったのかもしれないざます。

「欲しいものがなかったら買わなくても大丈夫、

行くだけでバッグがもらえる」

その言葉につられて、のこのこと出かけたざます。

 

その宝飾展みたいなもので、ちょっと気に入ったリングがあったざます。

それは、シルバーだけでできたリングざました。

ダイヤやサファイアといった宝石もついてないざますし、

素材もプラチナやゴールドではなく、シルバーざましょ。

かなりカジュアルなリングざますが、

太めのリングに大きな球体がついたようなデザインで、

どこかオシャレな感じだったんざます。

お値段は、12万円ちょっとだったと記憶しているざます。

少し考えていると、

担当してくれた店員さんが席に案内してくれて、

ティーを出してくれたざます。

店員さんによる、そのリングの良さや、

高級なものを身につけることの大切さの話が、

無限に続いたざんす。

でも、時間が経てば経つほど、

冷静になればなるほど、

「今は買うときじゃない」

という気がしてきたざます。

 

私は、お断りすることにしたざます。

すると、その店員さんは、

私がしているブレスレットを見て、こう言ったざます。

 

「今も素敵なブレスレットされてますけどねぇ」

 

そのとき私がしていたブレスレットは、

3千円くらいのシルバーブレスレットだったざます。

とっさに私は、

「いえいえ・・・」

と言いながら、

ブレスレットをしていない方の手でブレスレットを隠したざます。

12万円を超えるシルバーアクセサリーを目の前にしながら、

自分の3千円ぽっちのブレスレットに注目されたことが、

とても恥ずかしくなったからざます。

 

するとすかさず、こう言われたざます。

 

「良いものを身に着けていない人は、こう言われたときに隠すんですよ」

 

図星ざんす。

・・・。

でも、なぜここまで言われなきゃならないざます。

私、少々、ショックざます。

気に入ってつけていたのに、バカにされたざます。

 

私はそれを表に出さずに、

「あぁ~、なるほど~、そうかもしれないですねぇ~」

などと、

へらへらしてやり過ごしたざます。

 

「隠さなくてもよいものを身につけたいですね」

って、

うまくまとめた気になるじゃないざます!!

スネちゃま、帰るざます!

今だったらきっと黙ってないざます。

「なんざますか、失礼ざます!!」

 

帰りにバッグをいただいても、気持ちは晴れなかったざます。

 

 

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